ソニーとパナソニックによる次世代見守りAIシステムのイメージ

日本を代表する電機2社が技術を結集

ソニーグループとパナソニックホールディングスは11月7日、高齢者向けの次世代見守りAIシステムを共同開発すると発表した。両社が持つ画像センシング技術とAI解析技術を組み合わせ、2026年春の製品化を目指す。

開発するシステムは、居室に設置した複数のセンサーとAIカメラにより、高齢者の日常動作や生活リズムを24時間モニタリング。転倒や急な体調変化などの異常を検知した際には、家族や介護スタッフのスマートフォンに即座に通知する仕組みだ。プライバシーに配慮し、映像は骨格情報のみに変換して記録する。

ソニーの画像センサー「IMXシリーズ」の低照度撮影技術と、パナソニックの独自AI技術「Vieureka」を融合。さらに、転倒リスクを事前予測する機能も搭載し、予防的なケアにつなげられる点が特徴だ。

高齢者の一人暮らしや老老介護が増加する中、遠隔での見守りニーズは急速に高まっている。両社は「技術の力で高齢者の安心・安全な暮らしを支え、介護する家族の負担軽減にも貢献したい」とコメント。初年度で国内5万世帯への導入を目標に掲げている。また、将来的には介護施設向けのシステムや、健康データを活用した予防医療サービスへの展開も視野に入れている。

記事提供
日本経済新聞
著者
テクノロジー部
公開日
2025-11-07