都内全域で認知症対策の新たな取り組み
東京都は11月7日から、AI技術を活用した認知症早期発見支援アプリ「とうきょう認知症ナビ」の運用を都内全62区市町村で本格開始した。同アプリは、スマートフォンで簡単な質問に答えたり、日常生活のデータを記録したりすることで、認知機能の変化を早期に検知するシステムだ。
アプリは東京都と東京大学、医療系AIスタートアップが共同開発。利用者が毎日の歩数、睡眠時間、簡単な認知機能テストの結果などを入力すると、AIが過去のデータと比較し、認知機能の低下リスクを判定する。リスクが高いと判定された場合は、地域の認知症相談窓口や医療機関への受診を促す通知が届く仕組みだ。
認知症は早期発見・早期対応により、進行を遅らせたり、適切なケアプランを立てたりすることが可能とされる。しかし、初期症状は本人や家族が気づきにくく、医療機関を受診する頃には症状が進行しているケースも多い。
東京都の担当者は「認知症の早期発見により、本人の生活の質を保ちながら、家族の介護負担も軽減できる。AIの力を借りて、都民が気軽に自分の認知機能をチェックできる環境を整えたい」と説明。アプリは無料で利用でき、個人情報は厳重に管理される。都は初年度で10万人の登録を目標としており、今後は高齢者施設や地域包括支援センターでも積極的に利用を呼びかける方針だ。
- 記事提供
- 朝日新聞デジタル
- 著者
- 医療健康部
- 公開日
- 2025-11-07